その翌日、僕は両親の前で、「おじいちゃんとおばあちゃんに、お祝いとして天体望遠鏡をお願いしてみようと思うのだけど、いいかなぁ?」と聞いてみた。
「ジョニー、オマエは星などに興味があるのか?」父に聞かれた。
「うん、何となく興味があるよ。お姉ちゃんにも相談して色々と話していたら、天体望遠鏡を欲しくてたまらなくなった」と僕は言う。
「ジョニーが欲しいのなら頼んでみたらいい」と父。
母は特に何も言わなかった。僕は、天体望遠鏡は高級そうなので、両親からは反対されるかもしれないと思っていたが、意外にもそうはならなかった。
「それなら、おじいちゃんに電話して聞いてみたら? それでお願いしてみなさい」と母が言うので、僕は祖父に電話をした。
祖父は「よし、わかった。今度の休みの時に一緒に買いに行こう」と言ってくれた。
週末の日曜日、僕は新宿駅近くのデパートの入り口で祖父母と待ち合わせて落ち合う。
何年も前のクリスマスに、母からユニフォームを買ってもらった時と同じデパートだった。
デパートの売り場には、何種類もの天体望遠鏡が置いてある。店員さんが色々と説明をしてくれた。その中で、性能はまずまずで、初心者に使い易いというものを買ってもらうことにした。こんなにも高価なものを買ってもらったのは初めてだ。祖父母に「ありがとう!」と言った。
祖父母とも笑顔で、祖父が「ジョニーが、中学の受験勉強を頑張ったからじゃよ」と言ってくれた。
天体望遠鏡は少々重かったけど、僕は家まで無事に持ち帰った。そして、家に帰ると、兄に天体望遠鏡を組み立てるのを手伝ってもらい、早速、星空を観察した。
日本、東京の都心、コンクリートジャングルで、ネオンは明るく、スモッグがかかっている。スポーツをするのに最悪な環境で、天体観測にも良い環境とは言えなかった。
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