さて、2021年当初のメタバース、特に私がプレイしていたVRChat界隈における「市場」と呼べるものは、主に「BOOTHにおけるVRChat販売物と取引」という認識(ここではtoC(対エンドユーザー)市場に限った話をします)でした。

当時の売れ線としては「3Dモデル」、その中でも「アバター」と「衣装」が商品数・注目度(SNSで見かける回数の多さ)が高く、次点で「小物(バッグやアクセサリーなど)」といった具合でした。以下では、VRChat界隈における商品・市場をざっくり紹介します。

アバター

ユーザーが中に入って操作するキャラクターの3Dモデルデータ。VRヘッドマウントディスプレイを使用した際には、実際の頭の動きに合わせてアバターの頭も挙動する他、腕や指の動きなども細かく連動・動作します。メッシュデータ(外見の造形部分にあたるポリゴンなど)はもちろん、VRChatでの使用に合わせてUnity上でのセットアップなど、最適化もされている場合がほとんどです。

相場はまちまちで、当時は3000〜7000円前後が多かった印象。中には10000円や30000円近くする、いわゆる〝ハイブランド路線〟のアバターも存在する一方で、無料で公開されているアバターなどもあります。

個性豊かで、ビジュアル的なインパクトを出しやすいこともあり、ユーザーに対しての訴求力・需要は高いが、10体、20体と大量購入するユーザーはそこまで多くない印象。

衣装

前述のアバターに着せるための衣装データ(3Dモデル)を指します。服を着せてVRChatで遊ぶには、Unity上での操作・セットアップ作業を必要とします。アバターと同じくメッシュデータと、VRChat向けに袖や裾、紐などの揺れものの設定や、対応アバター用に最適化などが施されているものが多いです。

当時、値段は1000〜3000円前後が多い印象でした。こちらもアバターと同じく、ハイブランドの物もあれば無料で公開されている物もあります。

ただしこちらは、制作とそれに伴う設定の難易度がアバターに比べて比較的低く、モデリングを始めたての方も多く出品されているため、商品数はアバターに比べて多い傾向にあります。

アバターでは1ユーザーあたりのアバター購入数はそこまで多くなりにくい傾向にあったのに対し、衣装に関しては現実のファッションと同じく、1アバターに対して複数の衣装を購入することが多いです。

アバターに衣装を着せた例

 

次回更新は6月2日(月)、8時の予定です。

 

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