我々は〝色やカタチ、素材〟を選んでその品を買ってきて、日々の生活の中で使っています。「〝アート〟はわからない」といって美術館に行くことにハードルが高いと感じているというのは、実はおかしいことなのです。日々デザイナーによる〝アート〟の世界で過ごしているのですから。きっと難しく考えすぎているのだと思います。
100円ショップのコップも1個1万円するコップもデザイナーの考えた作品なのです。その中で、自分で「このコップでいいや」と選んで買って帰っているのです。そんな風にして、自分の家のインテリアはできているのです。
「何でもいいや」と思いつつも選んでいます。素敵なセンスのある人たちは、そこにモノを選ぶことにこだわりがあるのです。絵描きを自称している私にも、〝アート〟って実はよくわかりません。様々なアートのカタチがあることを知っているからこそ、その多様性についていかれていないと思うからこその、「わからない」という答えなのです。
〝アート〟の価値は、その人その人で違っていいのです。しかし、何を基準に置くかは〝色やカタチ、素材〟を見抜く力が、その人の根っこの部分に育っていれば、どんな服装、生活用品を買う時にも、活かされると思っています。
ですから小さい時から、その子らしい〝色やカタチ、素材〟の選び方を知っていれば、その人なりの美しさを持つことができると思うのです。自分の好きはどこにあるか? を自分自身で磨かなくてはいけないと思うのです。
さて、どうやって自分の〝美しい〟と感じる意識を磨くのか?ということになりますね。
私の提案は、その日々のほんの少しのこだわりを丁寧に過ごすことで、生活が整理され、洗練され、美意識が磨かれた空間や自分自身になれると思うのです。シンプルで過ごしたい人、キラキラ大好きな若者、その時夢中で過ごすひと時は素敵だと思います。