序章

この本を手に取っているあなた方は、かつて「ヤング」と呼ばれ、「ハイティーン」と称され、一世を風靡(ふうび)し、戦後の日本を復興させ、繁栄を期待され、もて囃された人々の集団であった。

思い出してほしい。

あなた方は、日本の高度経済を築き、発展させた団塊の世代のメンバーであった。今では、必ずしもあなた方が活躍した世代を引き継ぐ世代の人々から、畏敬あるいは尊敬の念を持って迎えられてはいない。

自問してほしい。

そのあなた方が、日本の発展を願い、活躍していた時の、あのエネルギーと情熱、自信と自負、誇りと栄光を、今、どこに隠匿し、蔵しまい込んでしまったのか? あなた方と、あなた方の後継者である、若年世代との間に何の齟齬があったと言うのか?

今、「あなた方の心地よい生活」と、「精神的に充実しゆとりのある生活を感じる空間と、居場所」がないのはなぜなのか? あなた方の行動の、何が悪かったと言うのか?

あなた方は、果たしてこれからも、日本の歴史の中で、「2025年問題」と揶揄され団塊の世代という括りで過去の遺物として、医療費や年金を消費する後期高齢者と言われ蔑まれ、無視され消え去って良いのか?