【前回の記事を読む】かつて、あなた方は時代の主人公であった。あの時あなた方が抱いていた思いは、理想は――

序章

一度、進む方向を誤るとそれは一期の過ちとなり、ボタンのかけ違いと同じように歯車が狂っていく。

戦後、80年が経過した。

現在、日本は国家として経済的には円熟している。今後、さらに繁栄していくという国家目標と、高度成長後の最終目的であった環境汚染のない社会、そして国民を中心とする格差や貧困がなく、都市と地方の格差がない社会を構築する必要がある。

家の鍵をかけ忘れて外出しても、安全で安心して暮らせる平和な日本社会を築くために、次の世代を担う後継者に、引き継ぎ申し送る責任と義務がある。

実際、あなた方は、世界に誇れる日本の風土と自然や伝統文化、歴史的な景観、社会的な調和を理想国家像として、意識し共有し、凛として新しい日本を創生しようと行動し運動を継続してきたはずだ。

しかし、今、子供時代を過ごした美しい故郷は、どこへ消え去ってしまったのか? 美しい山々は削られ異様に変形し、美しい景観は無視され、山肌にぞんざいに置かれたソーラーパネルや、いまだにPM2.5による大気汚染や、排気ガスで汚れ剥き出されている都会の空気は健康被害をもたらしている。

環境問題は、日本をはじめとし世界的な規模で、地球温暖化による異常気象、ゴミ問題、海洋汚染、森林破壊、水質汚染など、解決しなければならない多くの問題に直面し、人類の生存と存続の危機となっている。

一方、国民は、マスコミ、マスメディアによる、「地球温暖化(気候変動)の阻止、脱二酸化炭素社会を目指す」という言葉に呪縛され、作為的、意図的に、一部の企業に利益が誘導され実行され、いまなお、日本の自然は破壊され続け、かつて少年期を、過ごした故郷は、荒れ果て、過疎化が進行している。

現在の日本社会が抱える複数の問題が解決できず山積している原因は、どこにあるのか?