【前回の記事を読む】「今日は、魚取りをするから」——夏の小川に響く、少年たちの声隆は、四手網を投げ込んだ小川の上流から、竹棒をリズミカルに、ガチャガチャ、ガシャガシャと鳴らしながら動かし、獲物を網に追い込んだ。幸三は、隆の動きに合わせ、小踊りするようにはしゃぎながら付いて行き、獲物が獲れる瞬間を、息を潜めて、じっと待っていた。10分くらい同じ動きを続けた後、網をゆっくりと引き上げた。四手網の中に…
[連載]居場所がない団塊世代のあなた方に
-
小説『居場所がない団塊世代のあなた方に』【第5回】阿弥 阿礼
真っ赤な夕日が差し込み、バケツに入っていた魚たちが金色混じりの赤銅色に輝いた。「なんて、綺麗だ…」
-
小説『居場所がない団塊世代のあなた方に』【第4回】阿弥 阿礼
「今日は、魚取りをするから」——夏の小川に響く、少年たちの声
-
小説『居場所がない団塊世代のあなた方に』【第3回】阿弥 阿礼
幸三少年の通う小学校はこぢんまりとした平家建ての木造校舎で建てられてから60年以上経つ。そのため来年3月には……
-
小説『居場所がない団塊世代のあなた方に』【第2回】阿弥 阿礼
現代の日本の礎を築き、その繁栄の基礎を築いたのは我々団塊世代であった。だからこそ日本の将来に貢献する責任と義務がある
-
小説『居場所がない団塊世代のあなた方に』【新連載】阿弥 阿礼
かつて、あなた方は時代の主人公であった。あの時あなた方が抱いていた思いは、理想は――