忘れないでほしい。
戦争で破壊され、焦土と化した日本を新しく生まれ変わらせるために、繰り返される日々を、肉体と精神を酷使し、心身ともに疲れ果てながらも、その日の課せられたノルマを達成しなければならないという極めて限界に近い労働環境を、精神力でこなしていたことを。
経済的には貧しく、生活は豊かではなかったが、家族と一緒に築いたマイホームに誇らしい気持ちで帰った時のあの喜びを。
仕事を終え、玄関に入ると、子供たちが、無邪気に、駆け足で寄ってきて、「お父さん、お母さん、お帰り! お疲れ様。お腹が空いて死にそう。早く一緒にご飯を食べよう」と溢れんばかりの満面の微笑みで迎えてくれた時の感動。そして、抱き上げた我が子をしっかりと抱きしめた瞬間の、なんと至福で充実した時間であったかを。
あなた方はかつて、子供たちのヒーローでありヒロインであり、偉大な父、母であった。
物質的な豊かさと、衣食住に不自由のない生活が送れる戦後の、現在の日本の歴史を創生したのは誰であったのか? 今のあなた方は、贅沢さえ言わなければ生活に何ら不自由はない。
思いとどまり、振り返って考えてほしい。
戦後、あなた方の望んだ日本の姿と、求めた社会形態、理想とした美しい日本の姿とは何だったのかを?
今、その想いは現実に、実現されているのか?
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