ルポ記事 退職後もコレがあれば人生は楽しい 「趣味に生きる」宣言!
日経マネー/1993年6月5日臨時増刊号(日経BP)

新宿ダイナースサロンで古田武彦先生の「人間と歴史の諸相」という講座を受講した折、ご一緒した井村泰介さん──社長業をリタイヤして、やっと時間に余裕ができて歴史の勉強を始めたと仰っていた──から、『日経マネー』に掲載された「40代、私の夢──歴史紀行『神話の原風景』を辿る旅がしたい」というインタビュー記事を読んで、「あなたが羨ましい! 私ももっと若いうちから、そんな趣味を持った生き方ができたらとつくづく思った」という感想を頂きました。それをきっかけに古代史ツアーや古墳巡りをご一緒したことが懐かしく思い出されます。

私は今年の一月に七十九歳の誕生日を迎えました。父は兄姉が七十七歳で亡くなっており、ここを乗り越えてからと喜寿の祝い事を控えていましたが、やはり七十七歳で亡くなってしまいました。一方、うちの家系にとっては鬼門ともいえる、この歳を乗り越えた私の長兄は九十歳まで長生きしました。

おかげさまで私も二〇〇〇年(五十三歳の時)に冠動脈バイパス手術を受け、以来二十五年何とか元気で過ごしています。

今回幻冬舎ルネッサンス編集部の田中大晶さん、前著『神話の原風景─ 旅でたどる』を担当された横内静香さん、また執筆のきっかけとなったお手紙を頂いた小尾美咲さんのお蔭でこの本を纏めることができました。記して御礼申し上げます。なお、文中引用文献等敬称を略させていただきました。

 二〇二五年一月十一日

著 者