唾液はすごいよ
脱灰レベルの歯が修復されるのは、唾液の働きによるものです、とお話ししました。
では唾液とはどんなものでしょう?
私たちの口の中を清潔に保ったり保湿したり、舌を滑らかに動かしたり、炭水化物を消化したり、入ってきた細菌と対抗してくれたり、味覚を感じさせてくれたりと、とても重要な役割があります。
天津飯、食べたことはありますか? 最初はとろりとしているのに、だんだん、シャビシャビになってきます。天津飯はスプーンやレンゲでたべますね。何口か口に運んでいる間に、スプーンやレンゲに唾液がついて、その唾液は何度もとろりとした餡につきます。とろりとした餡は唾液に〝消化〞されてシャビシャビになります。
また、唾液のすごさは抜歯した時にもわかります。歯は歯槽骨という骨に支えられています。抜歯をすると、骨が口の中に丸見え状態なんです。骨が露出しているにもかかわらず、だいたいは特別なことはせずとも(喫煙はだめです)、1週間もすれば痛みは消えてきます。
歯槽骨を削ったり、歯肉を切開しても、抗生剤、痛み止めを服用するくらいで、多少長引きますが痛みは消えてきます。腕の骨が外に露出するような開放骨折をしたときには、抗生剤、痛み止めなどといっている場合ではなく、秒で入院、手術になります。
唾液は大唾液腺と小唾液腺から産生されます。