『さて、ここにおる皆を代表して話をする。俺を除いた他の者たちは、すべて人の手で作り出され、身勝手にも処分された者ばかり。だからといって恨んだり、嫌ったりするものではない。人間によって世に出されたことをむしろ、誇りにさえ感じているんだ。

お前はまだ、体の変容が始まったばかりで心まで化け物には至ってはいない。どうであろう、蛆虫と成り果ててしまったこの俺に代わって、人の感情を残すお前が、これより先、いかなる時でも、ゴミと呼ばれてここに落とされし者たちに憐憫の情を示すと約束するならば、崩れかかったお前の体を元に戻し、ここから出してやってもよいが。

ただし、これからは、ここに捨てられたゴミたちをただ闇雲に焼却するにあらず、彼らの生い立ちに一つ一つ思いを巡らせてやってほしい。

その中で、再び気を漲(みなぎ)らせることができよう者がいれば、丁寧に手当てを施し、元の世界に戻してやってくれ。既に朽ち果てし生物 (なまもの)は、手厚く葬ってやれ。あの大きな煙突から天国に向かって旅立っていくだろう。

約束ができるなら、お前をこのゴミ館の仙人に任じて、ここから出してやろう。そして仙人となった証しとして、過去の時間を百分の一秒だけ繰ることができる力を進ぜよう。いかがかな?』と、問いかけてきたんじゃ。

 

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