▪南町海岸周辺

様相は一変していた。気仙沼から離島大島に「気仙沼大島大橋」が架かり大島航路は2019年4月に定期航路が終了している。港の周辺は今も復興工事中で、人の動きはあまりみられない。

一部復興した商業施設はあるものの賑わいはない。2020年3月までには地ビール店やミニイベントホール、鮮魚販売店、飲食店など集積商業施設として随時オープンする予定地区である。

離島である大島は観光の島、橋が架かり車で12~3分で行けるようになった。廃止された定期航路は25分掛かっていた。便数も限られていた。

2019年4月に橋が開通し訪れた人は震災前の年の2倍になった。車で移動できる訪問者は日帰りができる。大島の魅力の一つに海水浴100選にも名を連ねる小田の浜海水浴場があり、海鮮料理を期待し民宿に泊まる観光客が多くいた。

震災前 2019年は約4万人の宿泊を数えたがコロナの影響も重なり2020年は2万1千人と52%減である。離島大島は観光が目玉で宿泊客を多く迎えていた。

橋が架かり日帰りできるようになった大島は新たに問題を抱えていた(追記:時を同じくして塩釜市の離島、寒風沢島に行き民宿に泊まりS女将さんから震災当日及びその後の復旧事業の様子を伺った。

被災地の復旧工事はほとんど重機で行われていたがこの地は手作業の多い復旧作業であったようで、被災した住民に一時的に小さな雇用を生んだ。復旧はしたもののこの離島でこれからどのようにして民宿を経営していくべきか迷っていた。

気仙沼大橋同様に80m離れている島に橋を架ける話が話題になっていた。女将さんは「病院や買い物に行くのに私は便利になるけれども、観光民宿として生きていくには橋はいらない」と言う。

商業施設においてサービス業という分野に含まれる民宿。頭によぎる市場や商圏を組み立てて商業施設のアドバイザーとして話すには難しい内容であった)。