俳句・短歌 句集 母娘 2020.08.26 句集「地雷の如く」より三句 地雷の如く 【第8回】 馬場 美那子 母ひとり、娘ひとり、恋たくさん。 「おひとりさま」とその母の13年を綴るドラマティック川柳句集。 自由奔放にたくさんの恋をしてきた「おひとりさま」な娘。たったひとりの肉親である母は、夫に先立たれて長かった。 ほかに身寄りのない二人なのに、喧嘩して、諦めて、また喧嘩して。恋はすれども、母は捨てられぬ。母への情愛と異性への恋心との狭間で揺れる心情が、おかしみと哀しみを込めながら五七五の17音字に込められた「絆」の物語。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 加速してゆく瞬間の愛が好き 夜に泣く螢の声を聞きたがり 人魚にはなれぬ王子などいない
小説 『娘からの相続および愛人と息子の相続の結末[人気連載ピックアップ]』 【第10回】 川井 れもん 娘の葬儀代は1円も払わない、と宣言する元夫。それに加え、娘が生前に一生懸命貯めた命のお金を相続させろと言ってきて... 次の日から雄二と2人で、市役所に提出する書類の整理や墓に納骨をするなど、予想以上にやらなければいけない事が多かった。そのためここ数日、私は身体に激しい痛みを感じて我慢できなくなっては休憩して、回復してから行動しての繰り返しだった。それでも、なんとかやらなければならない事をすべて終了させて、やっと直美の遺産相続の手続きをする事になった。この手続きは最初から姉に依頼しており、直美名義の口座がある銀行…
小説 『哀瞳のレムリア』 【第7回】 岩下 光由記 ネイティブアメリカンの末裔の儀式に参加。年老いた女性から「誇り高い勇者の民の末裔ね」と言われ… 「亜美、あなたと行きたいところがあるのよ、一緒に行こう!」アリサにそう言われたのは初夏だった。ワシントン州は冬の寒さは厳しいが、その日の気候は最高だった。どのあたりだったか場所ははっきりとは覚えていない。高い木々に囲まれた道を長い間車で駆け抜けて、辿り着いたのは古代の遺跡を思わせる小高い丘だった。周りは芝と緑に囲まれていて、見渡せる景色が美しかったことだけは記憶に残っている。以前に参加したことが…