俳句・短歌 句集 母娘 2020.08.31 句集「地雷の如く」より三句 地雷の如く 【第9回】 馬場 美那子 母ひとり、娘ひとり、恋たくさん。 「おひとりさま」とその母の13年を綴るドラマティック川柳句集。 自由奔放にたくさんの恋をしてきた「おひとりさま」な娘。たったひとりの肉親である母は、夫に先立たれて長かった。 ほかに身寄りのない二人なのに、喧嘩して、諦めて、また喧嘩して。恋はすれども、母は捨てられぬ。母への情愛と異性への恋心との狭間で揺れる心情が、おかしみと哀しみを込めながら五七五の17音字に込められた「絆」の物語。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 願掛けの瞬間の魔に惑うのよ 右左どちらへも向くねじり花 狂乱の心へ慈悲の手と手と手
小説 『娘からの相続および愛人と息子の相続の結末[人気連載ピックアップ]』 【第10回】 川井 れもん 娘の葬儀代は1円も払わない、と宣言する元夫。それに加え、娘が生前に一生懸命貯めた命のお金を相続させろと言ってきて... 次の日から雄二と2人で、市役所に提出する書類の整理や墓に納骨をするなど、予想以上にやらなければいけない事が多かった。そのためここ数日、私は身体に激しい痛みを感じて我慢できなくなっては休憩して、回復してから行動しての繰り返しだった。それでも、なんとかやらなければならない事をすべて終了させて、やっと直美の遺産相続の手続きをする事になった。この手続きは最初から姉に依頼しており、直美名義の口座がある銀行…
小説 『左遷、最果てのパラダイスへ』 【第20回】 木山 空 「沖縄に来て一緒に仕事しないか?」中古車屋で出会った若手社員をヘッドハンティング 「ところで沖縄、どう? 前に行ったことあるって言ってたけど、変わらない?」「うん、綺麗なビルが増えて、高速道路も増えたけど、青い空と海は同じだよ」「私、沖縄行ったことないから、行ってみたいな。この夏は着任したばかりで忙しいだろうから、冬休みに大輝を連れて行っていい?」「もちろん。楽しみにしてるよ。それまでになんとか営業所を軌道に乗せたいな。来てみたら、いきなり社員が一人辞めるというので面食らった…