【前回の記事を読む】「いい年していて、どうして結婚しないの。早く結婚した方がいいよ。相手がいないとか?」→セクハラだ!と大事にする若者
六 大きく変化した昔と今の社会状況
M じゃ、次の二つ目の理由に入るよ。それにはね、昔と今の社会状況を比べながら、それぞれのことをじっくり考えてみれば、よく理解ができると思うよ。つまりですなー、昔の女性たちの姿はどうであって、それに対し現代の女性たちはどのようであるかについて比較してみれば、よくわかるということよ。
W 具体的に言ってくれなければ、それこそさっぱりわかりませんね。一体、どういうことなんでしょうかね。
M それはねー、昔の女性たちが生きてこられた時代は、日夜通して娯楽的な体験やそれを味わうための場所もないということで二十歳前後の年齢で結婚してしまう女性が大変多かったわけだ。つまり、当時の女性たちは結婚し多くの子どもを産むことが、一種のステータス・シンボルであったんだよ。
特に、結婚後の女性は朝早くから夕刻まで、農作業に出たり、家では三度の食事の準備や掃除に洗濯、さらには大勢の子どもとお年寄りの世話をするなどして、一日が休む暇なしの過酷な状況の生活であったもんだ。
そんな忙しい毎日であっても、夜は夜で夫婦の愛を育むことで、大勢の子どもの誕生をともに喜びとしていて、子づくりも夫婦の仕事の一つとして励んできたもんなんだよ。だから、子どもの人口も増えてきたわけだが、この現象も昭和二十年代全般にわたってのことであって、三十年代に入ると徐々に減り始めてきたように言われているんだよなー。
W わかる、わかる。そうみたいで、それ以降は少しずつ減少傾向にあるようだね。
M ところがだ、その減少傾向にあるなかで、昨今の世の中はどうなっていると思う。
W え!! どうなってるって、何がですかね。