はじめに

それは、ある日私にかかってきた一本の電話から始まったもので、相手は普段から親交がある中年のご婦人からであった。

この方は、社会の出来事に非常に敏感なだけに話の内容は、昨今特に社会で話題となっている〝少子化対策〞についてのことであって、この件についてどのように考えているかという、いたってストレートな言い方で投げかけてきたのです。

この率直な問いかけに対し、私は「何故私に聞いてきたんだろうか?」と、唐突な質問に一瞬たじろいだもののその後の冷静な判断で、その理由を即思いつくことができた。

それは、私が令和三(二〇二一)年六月と同四(二〇二二)年三月の二年間にわたり、立て続けに出版した本のタイトルと内容について、当時そのご婦人は非常に興味を示すことで、出版される度に私とさまざまな点で議論をしてきた経緯があったのです。

参考までに、その二冊の本に見られるタイトルだけを披露すると、最初の一冊目は、私が事業として二十数年間取り組んできた介護に関することで『訪問介護事業は消滅する』というものであり、昨年三月に出版した二冊目のタイトルは『現代版「男女平等」の考えは正しいのか!!』であります。

特に、二冊目の「男女平等」にあっては、本の帯部分にあたる表面には『男は社会に女は家庭にが基本』とあり、その裏面には『家庭生活には男女それぞれの〝役割〞と〝義務〞を果たす責任がある』という私の確固たる主張を大々的に表現したものとなっているわけです。