Column 4 
遺伝学トリビア ①

ゲノム(Genome)

個々の細胞の核内に遺伝情報を有するゲノム(設計図)がある。

ゲノムは46本の染色体の中に詰め込まれている。これらの染色体は、両親の卵母細胞、精原細胞の減数分裂で生じた23個ずつの染色体が合体してできたものである。すなわち、染色体の半分は母親由来、他の半分は父親由来である。

ゲノムの構成は二重らせん構造を持った核酸分子からなる。2003年に、ヒトゲノムの解読が完了し、約30億個の塩基対のDNA配列が明らかにされた。1セット分のゲノムが30億個であるから、体細胞は2セット分、60億個のDNAを有する。

核酸(DNA とRNA)の働き

核酸(nucleic acid)には、リボ核酸(Ribonucleic acid, RNA)とデオキシリボ核酸(Deoxyribonucleic acid, DNA) がある。

DNAは4つの塩基、グアニン(G)、アデニン(A)、チミン(T)、シトシン(C)が、様々な順番で連なっている。各々の塩基は、デオキシリボース、リン酸を介して繋がり、1本の鎖となっている。ペアとなる鎖があり、4個の塩基は、それぞれ、CとG、TとAが水素分子を介して結合する。こうして2つのDNA鎖は、安定した2本鎖のDNAを作る。

RNAは、ゲノム上のDNAからRNAポリメラーゼによって転写されて造られる。RNAはDNAと異なり、1本鎖である。その組成はグアニン(G)、アデニン(A)、ウラシル(U)、シトシン(C)で、DNAの塩基チミン(T)がウラシル(U)に置き換わっている。RNAには様々な役割を担う多くの種類がある。

タンパク質をコードするメッセンジャーRNA(mRNA)と、タンパク質をコードしていないノンコーデイングRNA(ncRNA)に大別される。遺伝情報を担ったメッセンジャーRNAは、リボソームに働きかけて指定されたアミノ酸をつなぎ合わせてタンパク質を合成する。

出典:
中尾光善/驚異のエピジェネティクス、
羊土舎 2014