「涼(すず)しい! 最高!」
急に、にぎやかになった。
「ちょっと休んだら、すぐ始めるからね」波奈が声をかけた。
「わかった。わかった」悟と研一がくつろいでいる。二人は、学校では私たちと目も合わせないのに。
波奈は一つの提案をした。
「私たちのグループに名前をつけない?」悟が気楽な感じで応じた。
「ナンデモいいよ」
文子が笑いながら言った。
「そうね。それでいいんじゃない。『ナンデモ研究会』なんてどう?」波奈はちょっと驚(おどろ)いた。いつものひかえめな感じの文子じゃなかった。
けっきょく、それに決まった。
「ナンデモ研究会、いいね。さっそく始めようよ」
悟が言うと、文子が用意してきた一枚の紙を、三人の前に置いた。読みおわると、悟が首をかしげた。
「なぜ、いっしょに暮らしはじめた能登(のと)で、ヌナカワヒメは逃(に)げてしまったのかな?」研一がメガネのふちに指をかけて、言った。
「古事記(こじき)の担当者として、ぼくの推理はあるよ。あらためて古事記(こじき)を読んで考えてみたことなんだけどね」
まるで、探偵(たんてい)のようだ。
「出雲(いずも)の国にいた、オオクニヌシノミコトの奥(おく)さんのせいだと思う。スセリビメという名前で、古事記(こじき)によると、すごいヤキモチヤキだったらしい」悟がまた言った。
「ほかにも、疑問があるんだよ」
「なに?」波奈はたずねた。
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