2-2-2

【訳】
秋空の月を眺めていると様々にこころが乱れて悲しくなってくる
私にだけ秋が来たというわけではないんだけれど
【歌人略歴】
大江千里(おおえのちさと) 生没年不詳。平安時代初期の貴族・歌人。宇多天皇の頃の歌合せに参加。『古今和歌集』の10首を始めとして、以降の勅撰和歌集に25首が入集している。宇多天皇の勅命により家集『句題和歌』(大江千里集)を撰集・献上している。 中古三十六歌仙の一人。
2-2-3

【訳】
月のせいではないんだけれど
月を見ているとなぜか恨めしげに涙が流れ落ちてくる
【歌人略歴】
西行法師(さいぎょうほうし) 1118-1190年。平安時代後期から鎌倉時代初期にかけての武士・僧侶・歌人。左兵衛尉に任ぜられ、鳥羽院に北面武士としても奉仕したが、23歳で出家して円位と名乗り、のちに西行とも称した。出家後は心の赴くまま諸所に草庵を営み、しばしば諸国を巡る漂泊の旅に出て、多くの和歌を残した。和歌は約2300首が伝わる。勅撰集には、『千載和歌集』に18首、『新古今和歌集』に94首をはじめとして計265首が入集している。