第1章 ツアー計画

05 旅を象徴するバナーの制作

先ず最初に、簡単なアイデア図をワードで作ってみた。絵を描いたり、図案を作ることにかけては小学生程度の知恵とテクニックしかない筆者ではあったが、米国でアピールするという大欲があったため、何とか人さまにお見せできる程度のものはできた。

次にバナーの制作業者を探さなくてはならない。デザイン、印刷そして縫製までを手掛けてくれる業者が、地元浜松で簡単に見つかるものであろうか? 

この分野の事業者の情報は全く門外漢だったので知るすべもなかったことから、安易に肉親を頼ってみた。実は、甥が東京で隆(りゅう)としたデザイン会社をやっているので、その筋から安価に対応してくれる業者に迫ろうと最短距離を狙ったものの、そうは問屋が卸さなかった。

彼からは、地元の業者の探し方・選び方のコツを丁寧に諭す内容の返事を受け取った。それに従って、WEB検索をかけたところ、何とか3社程度を絞り込むことができた。

なるほど、蛇(じゃ)の道は蛇(へび)である。しかし、こんな面白半分、遊び半分のようなのぼり旗の制作を真剣に取り組むと言ってくれたのは、そのうちの1社だけであった。その日のうちに社長さんが我が家まで飛んでこられ、制作目的を説明して、デザイン、生地の選択、縫製の要点に至るまで、細かに詰めることができた。

社長さんからは2点、筆者の知らざる問題についてご注意をいただいた。その1つは、WEBから引用したイラストの著作権の問題と、2つ目は、原案はA4サイズで検討していたが、実物はA0ゼロサイズに拡大しなくてはならず、拡大印刷に耐えるデザインとしなくてはならないことだった。

これらの課題も社長さんの尽力で、デザイナーさんと協議してもらい、クリアすることができた。

これまでに述べたことをまとめると、バナー制作に関する留意点は次の通りである。