営業リーダーに向けた序文  デイヴィッド・ブロック

この本を最大限活用する方法

ここまで読んできた読者にとっては、この本の必要性が明らかとなっているはずだ。セールスイネーブルメント職種の人々によるセールスイネーブルメントの定義方法は多様で、私たちはさまざまな成熟度レベルにおいてこの仕事を推進している(が、成熟度が低い場合はビジネスの成果が得られない場合もある)。

また、多くの実践者の共通認識であるセールスイネーブルメントの基本はあまりに基礎的すぎて、これだけでは組織のパフォーマンスの改善はみられない。さらに困ったことに、最もシンプルな次元でも「コンテンツ」という言葉には複数の意味がある。

本書を書いた目的は、シニア営業やセールスイネーブルメントのリーダーたちが効果的にセールスイネーブルメントの役割を開始または進化させ、ビジネスの成果につなげられるようにすることだ。だが、執筆は容易ではなかった。その理由はいくつかある。

私はつい最近この分野の仕事を始めたわけではない。1991年にはすでにセールスイネーブルメントに従事していたため、多様な組織でのさまざまな経験があり、複数のフレームワークやモデル、システムを開発して成功を収めてきた。

約30年にわたる仕事の内容を、他者が身につけ使用できるように取り込んで体系化するのは、それ自体が困難だった。胸躍る作業ではあったが難しいのに変わりはない。