営業リーダーに向けた序文 デイヴィッド・ブロック
はじめに
現時点でのセールスイネーブルメントの定義を組織別にいくつか紹介しよう。
・ ガートナー:セールスイネーブルメントは、営業チームがより効果的に活動できるように必要なリソースを提供し、より多くの案件をクローズさせるためのプロセスである。
リソースには製品やサービスを顧客に販売するためのツール、テクノロジー、トレーニング、コンテンツ、または実行可能な戦略が含まれる。
高いパフォーマンスを発揮するセールスイネーブルメントチームはある種のリソースやサポートツールを提供し、営業プロセスを簡素化して営業担当者にかかる負担を軽減する。これにより商談の受注率が増加する。
・ フォレスター:セールスイネーブルメントの目的は、営業がスキル、知識、アセット、プロセスに関する専門知識を得て、すべての顧客とのやりとりを最大化できるようにすることである。
・ セールス・イネーブルメント・ソサエティ:セールスイネーブルメントを実施すると、十分な訓練を受けた上で顧客に対応する従業員は、適切なタイミングおよび場所で適切なアセットを使用して顧客と関与し、カスタマージャーニーに沿って世界水準のエクスペリエンスを提供できるようになる。
適切な営業マネジメントとパフォーマンスマネジメントのテクノロジーを活用するとともに組織全体の連携を強化するセールスイネーブルメントは、営業活動を最大化し、パイプラインの拡大、商談の推進、大型案件のより効率的な受注を実現して、利益ある成長を促進する。
・ アソシエーション・フォー・タレント・デベロップメント:セールスイネーブルメントの目標は、バイヤージャーニー全体を通じて、継続的かつ戦略的なリソースを提供することによりビジネスに対するプラスの影響を創出し、
市場に対応するチームの生産性を増加させることだ。これには営業トレーニング、コーチング、コンテンツ作成、プロセス改善、人材育成、給与などが含まれる。
読んでいるだけでクラクラしてくるはずだ。
セールスイネーブルメントの実践者と話してみても、定義の幅は前述と同じように広い。ただし、広義で見た場合、多くの関係者がセールスイネーブルメントの現状として、次が含まれると考えている。
・ 営業に対するメッセージ
・ 次の2つを目的としたセールスコンテンツ
◦顧客を惹きつけ、興味関心を生む
◦購買プロセス全体を通じて顧客の質問に答える
・ 営業トレーニングおよび補足資料と要素
・ セールステックとツール
ではもう少し掘り下げてみよう。セールスコンテンツとは何を指すのだろうか。少なくとも4種類のコンテンツが存在する。
・ マーケティングコンテンツ:対象となる顧客のペルソナ【訳注:架空の顧客やユーザーのこと。
ペルソナを設定することで顧客やユーザーのニーズを把握できるようになる】を(インバウンドマーケティングを介して)企業やウェブサイトに惹きつけるため、マーケティングチームが作成したコンテンツ。