人間には認知能力と非認知能力があって、どちらも私達には重要なものですが、IQで示される認知能力スキルだけでは社会的な成功が保証されないため、IQで示されない非認知能力の存在や開発に注目が集まるようになっています。

さらに、誰もが罹患する「認知症」という疾患の存在によって、超高齢社会における人生の過ごし方、つまり生き方についても再考が必要になってきました。

誰しも認知能力はある年齢でピークに達し徐々に低下していくのですが、多くの人はその事実に目をつぶってこられたのではないでしょうか? これまでは認知能力が低下していくという事実がすぐに自分の問題になることはありませんでした。目をつぶっていても、しばらくは自分の問題にせずに済んでいたのです。

しかし、この自身や家族の認知能力低下の問題は徐々にではありますが確実に近づいてきます。新聞に載っている社会問題といった程度であったものが、次の段階で知人の話に変化し、さらに進んで自分の両親の問題になり、重大な問題として自身に降りかかってくるのです。

電車やバスに乗った時に肌で感じますが、これから私達が迎える超高齢社会というのは、私達の身近に高齢者が生活されている社会です。ですから、この問題は避けて通れないどころか、急速に身近な問題になることが予想されます。

そして私達自身も超高齢者になる準備をしなければなりません。早い段階から自分自身の問題として考えなければならないのです。この点に関してはどんな方においても例外はありません。

ですから衰えていく認知能力だけに頼るのではなく、なかなか衰えない非認知能力に注目して、ご自身の老後に備えるという考え方が必要になってくるのです。これから超高齢社会を迎える我々はEQに代表されるこの非認知能力に注目したほうがよさそうです!