マンションは築年数を追うごとに必要な修繕費用が大きくなる。1年目の計画では、 30年目までの修繕費用を考えればよいが、5年目には35年目、10年目には40年目までの修繕費用を見込む必要がある。
多くの費用を見込むのであるから、必要な積立金も多くなる。つまり、当初1万6000円の均等方式であっても、見直しの結果、次のようなことが起きる可能性があるのだ。
・10年目の積立金計画例
10年目 ……1万6500円
15年目 ……1万6500円
20年目 ……1万6500円
40年目 ……1万6500円
「均等方式だったはずなのに、10年目で値上げになるなんて」と言われそうだ。均等方式は、「値上げにならない方式」ではなく「今後30年間でマンションが終わるとしたときの積立金計画」なのである。
期間の考え方が変われば、値上げになる可能性は十分にある。均等方式を検討する場合、「値上げになりません」という説明はご法度だ。
ただし、理論上は段階増額方式よりも値上げ幅は少額になるため、積立金計画を見直すときは、均等方式を検討するのがよいだろう。
【前回記事を読む】マンションの問題=社会全体の問題?修繕されないマンションは、外壁の落下や耐震性不足など地域の環境にも悪影響を及ぼす。
本連載は今回で最終回です。
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