スクリーン ~永遠の序幕~

外の景色

勾留延長の手続きに国選弁護人、まるで社会科見学だ。そしてやはり不気味なほど他人事である。

「それでは警察署に戻ってお待ちください」  パトカーの中では心の中に僅かな晴れ間ができていた。さっきまでは闇の中を彷徨っていたのに、今は少しだけだけどあるべき方向に進んでいる――そんな感覚が顔を上げさせる。

《外の世界は綺麗だろう?》

突然景色が囁(ささや)いた気がする。

《外の世界は至極当たり前に時を刻んでいる》日常を遮断されていたことを痛感する。

《つまり、お前が存在しようがしまいが、外の世界(よのなか)にとっては何一つ関係がない》

「嫌だ!」

両側にいる警察官の軽蔑的な目が俺を縛る。

「すいません」

俺は孤独感に苛(さいな)まれ震える。俺の世界(くうかん)と外の世界(よのなか)がバラバラになっていくようだ。先ほどの声は紛れもなく脳内で語る俺の声だった。