第2章 マンション3大トラブル 漏水、騒音、ペット
上の階からの騒音 204号室 vs 304号室
304号室
測定により、大きな騒音であると分かった場合、その結果を持って損害賠償請求の裁判を起こすケースもある。判決は「受忍限度を超えているかどうか」により分かれている。受忍限度とは、文字通り、「我慢できる範囲かどうか」というレベルを示すものだ。
実は、この受忍限度のハードルはかなり高い。そこまで我慢しなければならないのか、というようなハイレベルな騒音である。反対に言うと、受忍限度を超えるような大きな騒音であれば裁判上で解決することができる。
なお、騒音問題では、残念なことに、いずれか一方がその後マンションを退去しているケースが多い。マンションの将来をともに考えていく仲間であるはずが、「この人とは同じマンションで生活できない」ということになるのだろう。
実際に管理会社に寄せられている騒音に対するクレームを紹介しよう。なお、マンションや個人が特定されないよう、一部編集を加えている。
マンションではいつ自分が加害者になるか分からない。この音の主は、もしかするとあなたなのかもしれない。
▼ 事例1
だいぶ前から困っていることがあります。近所の住人が廊下を通り、私の部屋の手前で大きな声で話をしています。何年も前から同じようなことがありました。最近またそれが増えてきています。
過去に自分でも手紙を心当たりの□□号室へ入れたのですが、 □□号室の男性の年配の人が怒って私に話をしてこられ、怒鳴られたりしたこともありました。私自身、音には過敏に反応しているのかもしれません。
今日も以前と同じように私の家の前を大声で通る人がいます。とてもうるさいと感じています。最近は、その状況が起きると部屋の中で叫んでしまうくらい精神面でも疲れており、苦しんでいます。どうか、ご対応のほど、よろしくお願いします。
▼ 事例2
近隣トラブルを避けたいため匿名で連絡をしています。およそ半年ほど前からご近所の住民の方のボールをつくような音がひどくて困っております。
恐らく〇〇号室の方だと思いますが確かではありません。管理会社から直接本人に注意を促していただけないでしょうか。トラブルは避けたいのでクレームが出ているとかということは伏せて対応してください。くれぐれもお願いします。