私の提唱する施術法には、重要な留意点がありますので、必ず守って下さい。 それは「決して、施術者の指先の力で頚椎を操作してはならない」という事です。

頚椎損傷の誘因になりかねないからです。反射効を利用した筋肉系の緩解によって、患者さん自身の筋肉運動(首の左右・上下・回しの動作)だけで、頚椎の位置異常が調整されますから、それ以上の余計な外部的加圧は有害無益なのです。

施術者が一人の場合には、先ず頚椎間に触知できる異常箇所を患者さん自身に両手指で触ってもらいながら、該当部位の筋肉系寛解の刺激を与えます。

その後、頭部に位置を変えて頚椎全体を両側から支えてから、患者さんに首の左右上下回しの動作をしてもらいます。この方法は、患者さん自身で、反射効利用による改善効果が実感できますので、不思議がられ、感激されます。

7.自宅療法

日頃から、頚椎を支持する諸筋肉をストレッチにより緩めて、頸椎症を予防し、又は、ムチウチ等の急性頸椎症を改善するための、自宅療法を次の要領で行います。

・ 右手人差し指を顔の前に立て、その指を右方向に移動しつつ、それを最初は視線だけで追いかけ、視界から消えたら、首を右方向に移動させて視線で捉えます。

次に首は動かさずに、視線だけを反対の左方向に向けます。その後、視線を戻してから、左腕を下方に引っ張るようにして伸ばします。この動作を反対側でも行います。

・ 次に、左手で顎を軽く押して引いてから、右手で後頭部を顔面方向に倒す動作を呼気とともに行います。首が伸びているのを意識することが大切です。

・次に、右手で後頭部を支えながら、左手で顎を後上方に引き上げて、喉を伸ばす動作をします。呼気とともに、伸びを意識しながら行います。

・両肩を大きく、前に後ろに回します。その後、首を大きく右に左に回します。

・腰に手を当てて、腰回し運動をし、膝の屈伸運動と膝回し足首回しをします。

・ 最後に、両手を挙げてバンザイの格好をしてから、握り拳を作りながら、Wの字を意識して、肩甲骨を引きつける動作をします。その後、両手を体幹に絡めるようにして、ブラブラと左右に振ります(でんでん太鼓の要領です)。

以上の自矯法は、頚椎を支持する筋・筋膜・靱帯・結合組織に慢性的又は急性的に掛かる、重力負荷から自身を保護するために、有用な体操ですので、是非会得して下さい。

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