一樹のアパートから徒歩圏内の、コンビニエンスストアだった。
私は週に3回、数時間アルバイトをし、一樹は大学に通い、そんな生活に変わっていったのだけれど、アルバイトを始めて2か月も経たない頃、予想外にもアルバイトも学校と同じように行けなくなってしまった。
仕事内容や人間関係など、特に不満は何ひとつなかった。
けれど、アルバイトの時間が近づくと、学校の時と同じく《時間になるのが怖い》という得体の知れない恐怖に襲われ始めるようになった。
当日突然休みますという連絡さえしづらくなり、結果、無断欠勤を繰り返す形になってしまい辞めさせられてしまった。
しかし、アルバイトを辞めさせられた時の正直な感想は、ホッとしたのだ。
もうあの謎の恐怖感に襲われることもなくなるのだと思うと楽になった。
だがそれも束の間で、その後には私は学校にも行けない。アルバイトすらまともにできないという現実に、強いショックを受けた。
アルバイトを辞めてからは、私は何もできないダメな人間だと思い詰めるようになった。
でも、一樹はそんな私を励ましてくれた。
同棲生活を始めてからも、私は週末は実家に帰っていた。
一樹とは平日に過ごし、家族が休みの週末は自宅で過ごし、毎年、祖母の家でみんなで年越しをしていた。他の兄弟は18歳を過ぎると独り立ちしたが、20歳になるまでは家族での年越しを続けた。