第3章 あなたに必要な補助金

オープンしたての飲食店経営者 (小規模事業者持続化補助金)

お店の現状

あなたは、東京の若者の街、下北沢に出店したハンバーガー屋さんです。

下北沢駅から徒歩7分の立地で、古着やアンティーク雑貨を求めて、若者が集まるエリアに店を構えています。

新型コロナウイルスの影響は考えましたが、客足が戻ってくることを確信し、半年前にお店をオープンしました。

スタッフはあなたと接客アルバイト数名で営業しています。

毎月、営業利益は10万円程度上げているものの、借入金の返済を滞りなく行うため、余裕を持って営業利益を20万円にするための戦略を考えています。

今後の戦略

お店をオープンして気づいたことがあります。

お客さんは20代前半のカップルか大学生がほとんどでした。

そして、ハンバーガーが届くとみんな写真を撮り始めます。

お店のSNSアカウントは開設していたので、撮影した写真をSNSにアップする際、メンション(投稿にお店のアカウントのリンクをつけること)をお願いしていました。

すると、友人のSNS投稿を見て来客するお客さんが徐々に増えました。

平日の稼働率が40%ほどなので、平日の集客に力を入れて、60%までに引き上げることができれば、営業利益が毎月20万円確保できそうです。

新規のお客さんの多くが、SNSから情報を得て来店していることがわかったので、SNS集客を強化したいと考えています。

使える補助金

このケースですと、経済産業省が持っている「小規模事業者持続化補助金」が活用できます。

売り上げ規模や従業員数の要件がありますが、個人事業主や法人問わず、申請が可能です。 さらに、多くの補助金は1期または2期以上事業を実施していることが条件になるのですが、この補助金は創業1年目でも申請ができます。

補助金の上限が50万円で、補助率が2/3です。つまり総額75万円の事業を計画した場合、75万円の2/3である50万円が、事業が終わった後に補助金として返ってきます。

この補助金は「広報費」を計上することができます。

このケースでは①SNS広告費用②SNS用のプロモーション動画の撮影が補助金の対象になる可能性があります。

「可能性がある」という表現をしているのは、補助金が採択されるかどうか、または補助金の対象にできるかどうかはすべて審査する事務局の判断になるからです。

また、同じ補助金でも、前までは補助金の対象になった経費が、今回は補助対象にならない、といったルール変更もあります。

30秒~1分程度のプロモーション動画を撮影するには1本10~30万円程度かかります。 プロモーション動画を使ってSNSのコンテンツを充実させ、思わずお店に来たくなるようなアカウントをつくります。

あとは主要ターゲットである平日も来店しそうなお客さんに向けてSNS広告を発信すればSNSからのお客さん流入が増えると思います。

広告費用に仮に30万円かけたとすると、補助対象経費は30万円+30万円=60万円となります。

今回のケースでは、60万円の2/3である40万円が補助金として返ってきます。

※令和4年度にルール変更があり、広告費や動画作成費などに制限が加えられました。