浩は、食べ終えたカレーをテーブルに置くと、冷たい水をゆっくりと飲み、リュック以外の忘れ物が無いか? 周りを見渡した。

ドアへ向かいドアスコープを見て、廊下に誰も見えないことを確認してから部屋を出た。

エレベーターでB1まで降り、ホテル出入口を出て、駅とは反対の人通りの無い広い地下通路を日比谷へ向かって歩いた。

少し下っている通路を歩いている時に、いきなり後から突き飛ばされるように押され、前に倒れこみ膝を思いっきり打った。

「痛いっ!」

直ぐ後ろを向いたが誰も見当たらない、一体どうしたんだろう? と思いながらけつまずいたようには思えず、強く押されたような気がしたが……と少し不安になりながら、立ち上がった。

痛い膝をさすり、ややびっこを引きながら突き当りの出口から銀座中央通りへ抜ける道を歩いた。

直ぐ来たタクシーに乗り、日本橋のグリーングラスホテルへ向かった。

  

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