生徒会など学級の枠を超えた多様な集団における活動や学校行事を通して学校 生活の向上を図るため、学級としての提案や取組を話し合って決めること。以下、健康安全、キャリア形成などと続きます。(全文は本書末に掲載)ここでの「資質・能力」とは、「知識及び技能」「思考力・判断力・表現力など」「学びに向かう力、人間性など」を指します。

要約すると、学級における問題解決の担い手は「生徒」であること、問題解決の手段は「話し合い」であること、そして問題解決のための「組織づくり」を行います。

この「学級や学校における生活上の諸問題の解決」という文言は、平成元年度から現在まで35年間変わることなく引き継がれており、小学校の学級活動や高等学校のホームルーム活動の目標もほぼ同じ内容となっています。

いじめや暴力、差別や偏見の解決

学習指導要領は大綱的基準です。つまり根本をおおづかみにとらえた内容で、抽象的な記述がほとんどであり細かいことは書かれていません。

理由は、実際の運用は各学校や先生たちの創意工夫に委ねるとの考えによります。

実際、学級活動の全文はA4用紙数枚ほどです。しかし、それでは先生によって趣旨をとり違えるとか、学校によって解釈に相違が生じることも考えられます。それを補うのが「学習指導要領解説」で、その執筆者のほとんどが中央教育審議会メンバーです。

平成20年改訂の学習指導要領解説には、

「学級の中などに、いじめや暴力、差別や偏見などが少しでも見られる場合には、学級活動はもとより生徒会活動などでも適切に取り上げ、学校全体でその問題の解決に取り組むことが必要である」

とあり、いじめは生徒が主体となって解決します。

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