本書では、今、社会で注目されている「リカレント教育」を10章で取り上げている。これは、一旦社会に出てから、大学・大学院進学するという学問への誘いである。著者も50歳を越えてから大学院に入学して、「博士」の学位取得の夢実現へと繋がった。

まさにリカレント教育のさきがけであったと思う(取り上げた大学院教育についての詳細を参照下さい)。

また、高齢者の夢には中学進学もある。熊本県でも2024年4月から中学教育を受ける機会に恵まれなかった方を対象とした、オンラインでも学べる「熊本県立夜間ゆうあい中学校」が開校された。

山田洋次監督の「学校」という映画を思い出す。戦前戦中の時代に、中学校や女学校への進学を断念せざるを得なかった中から、一所懸命働いて、我が国の高度経済成長を支えてきた世代である。

80歳を超えてからの入学は、中学卒業の夢を実現して、90歳では高校進学の挑戦が夢となるだろう。夢実現は、年齢の枠を超えているのである。

まさに大器晩成、人生の成功に年齢は関係ないということである。「人生100年時代」といわれながらも、順風満帆にキャリアを進めることばかりに価値が置かれる傾向がある。

何歳までに人生を決めなければならないということもなく、すべての人間に共通する真理もないけれど、諦めずに生きることと、「努力は必ず報われる」ということは間違いのない事実であると私は信じている。

苦労するよりやめてしまう方が簡単であり、何事も道半ばで諦めてしまえば実現することはないのである。そのような経験者は、是非この機会に再度挑戦して頂きたい。

 

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