劉生 ―秋―
乳輪の大きな女は苦手だと思っていた。
高校のとき、友人から借りたアメリカのポルノビデオを見ていたら、あきれるほど乳輪の大きな女が出てきて、しかも俺の嫌いなロケット型のおっぱいで、どうしてもヌけなかった。相手の白人男の一物は、羨ましさも失せるほど巨大だったっけ。イレクトすると膝あたりまであり、でか過ぎて重力に逆らえずほとんど垂れたままなのだ。
こういう男にやられると女は腹膜炎になる、と訳知り立てに語ったのはそのビデオを貸してくれた同級生で、今は外務省にいる。
「なぁに、まじまじ眺めちゃって。なにかくっついてる?」
肉が両脇に流れて平らになった胸を、松嶋先生は恥ずかしそうに肌掛け布団で覆った。
「二人の子を母乳で育てたでしょ。だから乳首がとび出たままになっちゃったの。出産前はわたしだって、普段は慎ましく引っ込んでたのよ」
見当違いの言い訳をかわいらしく感じ、俺は先生の手を払いのけて薄い布団を恥骨のあたりまで剥いだ。まだ唾液で濡れている乳首をもう一度口に含む。たしかに赤ん坊が吸うのにぴったりの大きさだ。優子の使ってる哺乳瓶の吸い口もこのくらいの大きさなんだろうか。