6
アルフレッド・エドワード・ムーアは有り余る金を使い『奇跡の血』の持ち主を探してい
100歳を超えもう寿命が近い。
急がねば死んでしまう。金に糸目は付けない。
有力な情報なら1億円。
情報屋からホームレスまでアルフレッドの元に集まる。
7
夜、部屋で創と瑞希が眠ったあと、貴之は斉藤茜を酒に誘う。
刺身の盛り合わせにはアジやシメサバがあり、日本酒は保温の容器も備え付けられている。
貴之「創は頭のいい子だな」
茜「知能テストでは220を示したわ。通常は脳の成長を止める年頃でもあの子は成長し続けるの。それがあの子の特性」
貴之「外の現実を教えたくないな」
冬の夜空は星や月を美しく照らし出す。
8
創「いつまで居るの? 今日で1週間になるよ?」
斉藤茜「このまま隠れるのよ。今は」
創「誰から?」
茜「創の血を狙っているすべての人たちからよ」
創「あげればいいじゃない。そんなに便利なら」
瑞希「干からびちゃうよ? 創」
茜「血だけでは無いのよ、創のすべての臓器が狙われているの」
創「僕は……何者なの?」
支配人が駆け込んで来た。
「駒沢さま。表に駒沢貴之さまを出せと暴力も辞さない集団が押し寄せてます。お逃げ下さい」
【前回の記事を読む】「息子が死にました。…いえ、私が殺しました」―生まれてきた子は化け物だった。目を閉じさせ「おやすみ」と言うと首を絞めて…