アルゴス

第二章 日常から

1

「わしは駒沢貴之。この子の叔父で日本中に旅館を経営しているよ」

創「……ん? つまり、温泉行くの?」

駒沢貴之「まあ、温泉に入り放題だね」

2

お母さんは着替えているがそこまで化粧はしてない。

眼鏡をしていて、テレビで見る人で考えれば何処にでも居るおばちゃんになった。

創「お母さん、病院はほっといていいの?」

茜「いいのよ。早く出なければいけないわ。急いで」

……何を急いでいるんだろう?

新幹線や電車に乗り大分に移動する。

初めて僕がいた場所が東京だったことを知った。

初めて駅弁を食べた。

瑞希が牛肉の切れ端を口に付けたまま、

「創って何歳?」と聞くので、

貴之が「これっ行儀が悪いぞ」と注意する。

創「僕は8歳。瑞希は何歳?」

瑞希「へえ、老けて見えるね。あたしは11歳」

創「そこは大人っぽいと言わない?」

場に笑いが起きた。