アルゴス
第二章 日常から
1
「わしは駒沢貴之。この子の叔父で日本中に旅館を経営しているよ」
創「……ん? つまり、温泉行くの?」
駒沢貴之「まあ、温泉に入り放題だね」
2
お母さんは着替えているがそこまで化粧はしてない。
眼鏡をしていて、テレビで見る人で考えれば何処にでも居るおばちゃんになった。
創「お母さん、病院はほっといていいの?」
茜「いいのよ。早く出なければいけないわ。急いで」
……何を急いでいるんだろう?
*
新幹線や電車に乗り大分に移動する。
初めて僕がいた場所が東京だったことを知った。
初めて駅弁を食べた。
瑞希が牛肉の切れ端を口に付けたまま、
「創って何歳?」と聞くので、
貴之が「これっ行儀が悪いぞ」と注意する。
創「僕は8歳。瑞希は何歳?」
瑞希「へえ、老けて見えるね。あたしは11歳」
創「そこは大人っぽいと言わない?」
場に笑いが起きた。