智能教

第七章 逮捕に向けて

警察は本格的に智脳教を調べることになった。

支社の502倉庫は別の警官が調べることになった。

小田義則含む私達は野党議員の数人を引き連れ智脳教本拠地のビルに足を運んだ。

大手電機メーカーの支援を受けているため建物は巨大だ。

恵〔……〕

「どうした?」

啓介はノートパソコンの元気のない恵にも気を配る。

恵は何も言わない。

建物を調べると地下には相当な発電設備があるようだった。

社員とも信者ともつかない人々を押しのけ扉を強引に開けると試験管に巨大な脳と手も足もない人間がいた。

恵が騒ぎ出す。

恵〔見ないで。私を見ないで〕

【やい、無能な人間どもよ。……くそっ】放送の主は誰だろう。

複数の試験管が目につく。

【……三崎学、桐鈴子。枝木郡司は上だ】別の音声?

【笑いたいか? 俺たちの姿がおかしいか?】別の音声?

言葉を発する能力がないのかしきりに機械の騒音をたてる者もいる。

俊紀が上の階に行くとゴタゴタが起きていた。

啓介は部屋に留まり現状に一番いい解決法を考えた。

……狂っている。

この人の命をなんとも思わない奴らは狂っている。

上の階の処理が終わったのだろう。首謀者の逮捕だ。

やってきた小田義則に啓介は「電源を切りましょう。安楽死です。そして、すべてのここの技術データを破棄しましょう」と言った。

小田義則はうなずくと「電源を落とせ」と命じた。