◎統合失調症について

統合失調症は、『ウルトラ図解 統合失調症:理解を深めて病気とともに歩む』(糸川昌成監修、法研、2017年12月)によると、「『統合』は、思考や感情、判断や行動などといった精神活動の要素を1つの目的に沿ってまとめる能力を意味します。『失調症』は、その能力が一時的に変調を来している状態をいいます。つまり統合失調症とは、『精神活動が一時的に変調を来した状態』といえます」(p14)と解説されています。

統合失調症の経過

・前駆(ぜんく)症状(しょうじょう)(初期症状)        統合失調症の発症前に現れる症状。眠れない、集中できない、焦燥感、不安感、気分が落ち込む等の症状が現れる時期

・前駆期                           不眠、食欲不振、理解力の低下が現れる時期

・急性期                           妄想や幻覚などの症状が急激に現れる時期

・休息期(消耗期)                           元気がなくなる、思考力の低下、感情意欲の低下などが現れる時期

・回復期(慢性期)                           症状が比較的に安定している時期

・寛解期(かんかいき)(予後)                       症状が安定し、社会的な活動が可能になる。情緒が安定しているが継続的な治療が必要な時期

統合失調症の症状

・陽性症状         妄想、幻覚、思考障害、興奮、暴力性、攻撃性など

・陰性症状         感情の平板化、思考の貧困、意欲の低下、社会的引きこもりなど

・認知機能障害 記憶力の低下、注意・集中力の低下、判断力の低下、理解力の低下など