「自分もリハビリを頑張れば治るかも」相部屋の重症患者の中で1人、ギランバレー症候群の私だけみるみる回復。

【25日】　

院長回診。いつもの握手をして、手を頭の上まで上げて見せた。

「やぁ、すごいな」

手を上げただけで褒めてもらえるなんて、良い気分。そのまま調子に乗って足を片方ずつ45度上げた、これが精一杯だ。

「すごいなぁ」

何度も言いながら、院長先生は帰っていった。

この日は、1か月ぶりに立ったというか、立たせてもらった。私の前に立つ人にしがみつき、横の人が私のパジャマのズボンを持って吊り上げたのだ。お世辞にも立ったなんて言えないし、私の足の裏は床を感じてはいなかった。ほんの数秒だったが、足から崩れなかったことに希望は持てた。

だいたい私のような重症患者は、人工呼吸器が取れるのに2か月以上かかると聞いていた。こんなにリハビリを急いでいいのだろうかと戸惑っていたが、看護師さんや介護士さんたちの熱意は本当にありがたかった。