そしてカーテン越しに静かに見ていたが、何かを見つけて啄(ついば)んだ後は、飛び立ってしまった。しかも水さえも飲むことなく。
そういうことかと、この捜査はここで打ち切り、それからは疑うこともなく、この段階で鳥の犯人説も消え、白黒の決着がついてしまった。
このこともあって、ネットでメダカの寿命を調べてみたところ、大体は飼育環境で三、四年らしいことが分かってきた。つまり、メダカたちが自然な形で、旅立ってしまったということである。生あるものは、いつかは訪れるものであり、諦めざるを得なかった。
また、メダカたちを毎日見ていることで、分かってきたことがある。
それは生きるためには食べなければならないこと。危険を感じたら逃げること。子孫を残すこと。この三点が、メダカたちの生き方になるのではないかと考えた。
単純な括り方であるが、もう少し補説すると、エサやりに水槽に近づくと、メダカたちはすぐ水草の下に一旦は隠れる。そしてエサをあげると、しばらくしてから一匹二匹と少しずつ出てきて、私がいるにもかかわらず、エサを食べだす。
たぶん、身に迫る危険を察知するためだと思うが、ササッと逃げる。このことがまず、第一の選択肢になる。反射的な咄嗟の行動といえなくもないが、他の魚類、いや動物の世界も人間も同様の行動をとっている。
【前回の記事を読む】子育てとは子どもを育てているつもりが、実は親として人として、子どもたちに育てられていることでもある。