まず、一日のエサやりの時だが、全体の動きを見ながら元気度をまずチェックし、その後にエサを一つまみしてパラパラと水面に散らす。その後に癒しタイムをセットし、座り込みながら呆然と不動の姿勢で眺める。
この不動の姿勢は、傍目にはベランダの変な置物にしか見えないかもしれない。
その親メダカたちも最初の一、二年は、卵もたくさん産んで子供たちを増やしてくれて喜んでいたが、三年目を迎えた今年辺りから、数が極端に減ってきてしまった。
どうもおかしい? 何かあったのかなと思っていた矢先に、いつもの窓際で新聞を読んでいるとタマタマ鳥がベランダに飛んできた。
自宅のベランダには、ヒヨドリやスズメや名も知らない鳥まで、落ちている筈もないが、エサを探しによく尋ねて来てくれる。
しかし、いつもベランダの床や手すりに、こびり付く落とし物をしていくため、そのたびに掃除をしなくてはならない。鳥は昔に文鳥などを飼っていたことで、嫌いではなかったが、落とし物をしょっちゅうするために、少々困っている。
その鳥たちなのだが、もしかして水槽の水飲みついでに、主のいない間を見計らって、お腹を楽団員でタップリ満たして、帰っているのではないかと思い、その鳥たちに、癒しメダカを食べられたと思い、あらぬ疑いをかけてしまった。
そしてその後に、いつ来るかも分からない鳥を待つことになり、いつもの窓際の床に陣取り、新聞を読みながら、その時を待った。しかしながら「待てど暮らせど来ぬ鳥を……」の心境で待ったが、察しているのか全く現れない。
見張り時間は、仕事合間の時間だけに限られるために、なかなか会えない。ただただその時をひたすら待つしかない。そして忘れていた頃に、何かベランダから鳴き声がしたため覗くと、ヒヨドリが一匹来ていた。