「貴方は今、魂の欠片が光化してこの世界にいるのですよ」

「魂?」

「貴方の魂の欠片は、大きな力となって他の光の仲間を助けることもあるでしょう……」

「私が大きな力になると?」

「そうです。しかし、それは後の話」

「私は普通の人。そんな力は持っていません」

「いいえ。自分の中に眠っている力を、神経を研ぎ澄まし覚醒させるのです」

「どうして私なのですか……?」

「貴方は現存する人間としては、底知れないほどの光を放っています。その光の力を私は捉えたのです」

「意味がよく分からない。……どういうことですか?」

「貴方は光の子。かっては光の戦士としてこの世の黎明期の時代に生を受けていたこともあります。それは遙か彼方の時代。世界は九つの世界に分かれていたのです。貴方は一番下層の冷たい氷と霧の世界に絶大な力を持つ王として君臨していたのです。ニブルヘイム。現世ではこう呼ばれていますね。

貴方は光と闇と人間の三つ巴の対峙の際に不思議な行動を起こしました。貴方は光か闇のどちらかに与すると雌雄が決した時、何もしなかったのです。その結果、世界は混沌としてしまいました。それもいずれ話す時が来るでしょう。

その話よりもっと大事なことがあります。今貴方は、再度、現世で大いなる使命を受けています」

「使命?」と英良は答える。

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