先読の使徒

「私は、これから一週間で私の持てる力を貴方へ送り終えます。それで未来が間違いなく変わるでしょう。私の言葉に真意を見出すかは全て貴方次第ですが……。私の言っていることが理解できますね光の子よ?」

分かると思う、と英良は答える。

「そう光の子よ。英良、光の未来が見えてきました。刻一刻とその時が近づいています。

間もなくなのは間違いありません。光の未来を感じながらシャロームとお祈りしなさい。

私の言う光の未来は数十年に一度あるかないかの幸運だということを忘れないで下さい。

それと英良、先日私の祖国の元、私の崇める神が乗り移っている少女が亡くなりました。グレゴリオ暦で年始から八十一日目となった三月二十一日、凶日にです。神は二十四時間以内に全世界を巡り強大な力に耐えうる人間を見つけるはずです。それが今日です。そして、「優里(ゆり)」から今まで感じることのなかった強い光、波動を感じます。

何を意味するかはまだ分かりません。ただ、私の崇める神の名前は、「エリーナ・モーセ」そう呼びます。祖国で神が乗り移っていた少女が亡くなったことには意味があるのでしょう。

神が全世界を巡り強大な力に耐えうる人間を捜し出す時間はここ日本を含めとっくに過ぎました。私が感じる神の波動は間違いなく優里から発せられています。次第に彼女も自分が何故エリーナ様に選ばれたのか真の意味を自覚することでしょう。