邂逅
「これは……」広目天は吃驚した。
「英良様、我の声が届きますか?」
「どうした広目天殿?」
「英良様……」
「闇の奇襲でも?」
「否。退魔の光に御座います」
「退魔?」
「御意、退魔の光、それは中心部が黒くその周りを白い光が取り巻きさらに外周が黒い輪で形作られているものに御座います英良様」
「それが?」
「この光があれば、鏑木からの闇の力を封じ込めることができるかと」
「闇を封じ込む……」
「英良様。我はこれからこの退魔の光を英良様の元へと転送致します」
「どのようにやる広目天殿?」
「英良様。我はこれより人間界で言う映像という形でこの退魔の光を英良様へ送ります。英良様はこの光を捉えたなら、それを何かに写して保存して下さらぬか。必ずやお役に立つことと存じます」広目天は静かに語った。
「分かった広目天殿」と英良が答えると「英良様。今我の光に載せて退魔の光を英良様へ送りました。必ず捉えることができるかと……」広目天の言葉が途中で切れた。
英良は目を覚まし、ふとスマホを見ると着信光が点灯していた。着信のメールには写真が添付されており退魔の光が確かに写っている。これが退魔の光か、英良は呟いた。