あたしとカナ パパ、ママ二人ずつ
カナママとカナパパがデートで待ち合わせたところで、あたしのパパもたまたまママとデートの約束してたら、カナママが間違えてうちのパパに「待った?」って聞いたら、顔が微妙に違うのが振り向いた。
そしたらカナパパが来て、それを見たうちのパパ「アッ、兄貴、それ俺のポロシャツ」って叫んだところで、うちのママが登場。
女同士「あらっ、やだ。私たち趣味似てるの? 兄弟なんだ」。「でもホントよく似てる」。「どこ行くの?」。「浜田省吾のコンサート」。「あれ、私たちもよ」で、席についたら、またまた隣同士。
それから、どこに行くのも四人一緒。卒業して数年経ったところで合同結婚式。統一教会じゃないよ。大隈講堂で安上がりだったんだって。それから、あたしたちが同じ年に生まれたってわけ。
ママたち、旦那さんたちが自慢でしょうがないみたい。パパたち同じように昇進して、カナパパは証券会社の総務部長さん。
ママたち、「ねっ、私たちの内助の功でしょ、パパたちよく稼いでくるの」。
給料明細なんて平気で見せ合って、大笑いしてる。
何であたしたちだけ、こんなポンコツなのかなってカナと話し合ったこともある。でもお互い一人娘、躾はそれなりにあったけど、甘やかされてきた。ママなんて、
「いいのよ、勉強なんてできなくても。女は愛嬌。あたしたちみたいに気が強いと、パパたちみたいに苦労するわよね」なんてカナママと頷き合ってる。
パパたち、たじたじ。言葉に出さず、お互い指さして、何とかしろって無言で叫んでる。でも、不思議なのは夫婦仲良いからなあ。ママたち、パパたちを上げたり下げたり、あたしたち感心するくらい。パパたちも操縦されてることを分かってるみたい。
たまに逆噴射するけど、ママたち泣きまねしてんのに「俺が悪かった」ってすぐ謝っちゃう。
ママたち舌出してるのに。