確かに、ワンコが飼い主の意のままに従い、人本位の生活が送れることは望ましいことです。飼い主の指示に従って従順に歩き、どのような場でも待て、伏せ、と落ち着いて行動できるワンちゃんと飼い主の関係は素敵です。

けれど、落ちこぼれたカアサンは考えました。クッキーは小さいので、引っ張られてもトウサン・カアサンが引きずり回されるようなことにはならないし、抱いてしまえば行動を押さえることもできる。

愛すべきマーリー(小説の主人公、ラブラドールレトリバー)のような大型犬ではないし、警察犬や職業犬でもないのだから、自然体でいいかな……。

要するに、黒い瞳で見つめる彼女に厳しい態度は取れない。要するに、無条件で彼女を可愛がってしまいそう。クッキーも、トウサン・カアサンの気持ちに応えてくれるのでは?という甘い期待があったのかも。で、しつけ教室は、それでおしまいになってしまいました。