第4章 
「地震予知」の希望!
「地殻変動の連続観測」が決め手に!

私が災害対策や危機管理に関心を持つようになったのは、約40年前の8月上旬、知床半島に一日一晩で400mmを超える集中豪雨があり、当時のしれとこブームで斜里町ウトロに宿泊していた観光客3,500人が孤立するという事態に、当時の電電公社の現場の責任者として社員、家族とともに総力戦で災害対応に当たったことが、きっかけになったと思う。

その後、危機管理アドバイザー・防災士として地震関連の各種セミナー等に参加、或いは文献、特許を検索するなかで、地震予知の難しさの一方で、様々な研究が進められその実用化の可能性もあることを知った。

その中で、清水建設(株)が持つ「地殻変動監視システム」の特許に着目し、地震研究者が長年追い求めてきた「地殻の日々の変化を観察すれば、地震の前兆を必ず見つけることができる」との悲願が達成できるのではないかと考えた。

ここでは先ず「地殻変動監視システム」をご紹介し、その上でこれから得られる「地殻変動情報」についてご紹介したい。

特に気象庁の地震予知の精度は、いわゆる「狭義の地震予知」のレベルであることから、前章で紹介した「世紀の難問」として、解決にはこれからさらに100年、200年といった時間が必要とされる。

しかし、このままでは目前に迫っていると言われる「トラフ型大地震」、さらには我が国のどこにでも発生可能性のある「直下型大地震」に対して、漫然と「その時」を迎えなければならないことになりかねない。

この最悪の事態だけは、何としても回避しなければならない!

【前回の記事を読む】東京都による首都直下地震の被害想定:最新の科学的知見をもとにした結果、被害想定に大幅な改善が見られた。

次回更新は10月18日(水)、8時の予定です。

 

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