④ 体性感覚

内外を感知する

体性感覚器は、外部を感知する触覚などと、内部の固有の情報を感知するものに大別される。ヒトに限らず、生物の生存にとって必須な基本的感覚である。

⃝外部を感知するものは皮膚感覚である。ヒトの場合、皮膚は約1.8平方メートルもあり、皮膚感覚の受容器はそこに散在している。皮膚の表面には触覚があり、皮膚の深部には圧力を感じる圧覚がある。その他に、温覚、冷覚、痛覚の受容器がある[岩堀修明(いわほり のぶはる). (2011). 図解・感覚器の進化 原始動物からヒトへ水中から陸上へ. 講談社.]。

⃝一方、筋、腱、関節などに、自分の状態を感知する固有受引っ張られているか、角度はどうか、などを感知していヒト生体の情報処理容器がある。筋がどれだけ伸びているか、どれだけの力でる。これは姿勢を制御したり体を動かすためにある[岩堀修明,2011]。

これらは、ヒトが今のコンピュータを操作するときには、隠れている。しかし、実は、手指を操作する支えやセンサーとして、黒子のような役割を果たしている。コンピュータの操作インターフェイスは、この身体機能に対し無関心できた。しかし、ヒトと機械が身体でやり取りをするとき、そのすごい能力は表面化する。

指先は鋭い

皮膚感覚受容器は10の7乗個あり、神経は10の6乗個ある。指先には1平方ミリメートル当たりに1個の神経線維が脳に接続しているという。指先は、2ミリメートル離れた点を弁別できるという[下条誠. (2002). 皮膚感覚の情報処理. 計測と制御、第41巻、第10号.]。このような指の神経の細かさが、ヒトが箸やハサミを上手に扱う基礎となっている。

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