「これは観覧車を使った計画的殺人だって。史上初の観覧車ジャックだって」
「ふむ……。彼はなぜそう強く思ったんでしょうか? その理由を何か言っていましたか?」
「それなんですが、犯人から連絡があったそうです、ドリームアイのゴンドラが落ちる前に。それはドリームアイ全てのゴンドラに聞こえてるって。いずれ乗客全員で証言するからって」
「つまり、スピーカーが犯人に乗っ取られていると言いたいわけだな。特に証拠もなく」
「……私、関係ないですよね?」
「まあ、今のところはそう思います」
そう言われて、滝口はほっとした表情で胸を押さえた。一方、貝崎は席を立って出口へと向かう。滝口は慌ててその背中に声をかけた。
「あの、私はこれからどうしたらいいんですか」
「また話を伺うことになるでしょう、滝口さん。先ほどの宮内さんと同様に、ここで待機していてください。すぐに包囲網を張り、このドリームランドは世間から隔離します」
「隔離……?」
驚く滝口を横目に貝崎は食堂から出ていった。
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【前回の記事を読む】「なぜ事故ではなく事件だと?それに、緊急時のアナウンスも冷静で…工学部在籍中の優秀なあなたなら…」私が疑われてる!?
次回更新は10月20日(日)、20時の予定です。