一 少子化進むと日本沈没
M このところ、少子化なるものが巷で大きな話題というか、問題になってるねー。
W そうだわねー。
M どうにか増えていく、いい方法ってないもんだろうかなー。
W えー!! それって増えていくもんなの。
M そうだよ。増えていかないと困ることだし、このまま増えないと将来大変なことになるんだよ。
W だって"少歯高齢化"とよく聞くけど、人間誰もが老いると、それがどうしても抜けてみたり、欠けたりしていくから仕方ないと思うよ。何でも世間では四十代の人で一本とか、五十代では三本、六十代になると六本なくなると言われているみたいだわ。もし、それが本当だったらそちらの言う通り何もしなければ、そのうち大変なことになってしまうだろうね。
M あれー!! ちょっと待ってよ。少子化って抜けたり、欠けたりしてなくなっていくものか。一体何を考えているんかね。
W 何を考えていると言っても、少歯化のことではなくて一体何だろうか？ だってそうでしょうが……。最近お年寄りの間では歯が少なくなることは健康に良くないと問題になっているのを知らんのね。長生きのためには歯の健康がとても大事と言われているでしょ。だから、国の方でも八〇二〇運動の推進によって歯の検診を大いに呼びかけているんではないのかね。違いまっか？
M 何ごちゃごちゃと言っているのかね。そんなこと、こちらもよーく知ってるよ。でもね、おいらが言ってる少子化はな、これからの日本をしょって（背負って）いく子どもたちのことじゃないか。今はね、子どもを産む女性が、どんどん少なくなってきているわけよ。これを少子化現象というんだけど、このまま続いていけば、それこそ日本の国はいずれ滅びてしまう、と言われているくらいで、そうなってもいいんかい。
W あーそうか、そうね。そう言うと今、世間で確かに騒がれていて、社会的に大きな問題になっているわねー。でも、それが一体どうしたというんですか。だってそうでしょう、子どもを産むも産まないのも、カラスの勝手でしょうよ。そうは思いませんかねー。
M あんた全くわかってないねー。子どもが少なくなるということは、この国の人口がどんどんと減ってしまい、働く人もいなくなり、経済はダメになってしまうことで、国そのものが滅びてしまうんだよ。そうなったら、歯の健康どころじゃなく、お金が入ってこないから美味しいものを食べることも、楽しい遊びもできなくなってしまうので、最後はね、日本沈没なのよ。わかったかね。
【前回の記事を読む】ある日私にかかってきた一本の電話。それは「少子化対策」への投げかけだった
