営業リーダーに向けた序文 デイヴィッド・ブロック
セールスイネーブルメントリーダーに向けた序文 ―タマラ・シェンク
好景気であれば気付かれにくいことだ。だが、世界的なパンデミックに見舞われて以来、これは好ましい状況ではない。
パンデミックが経済に多大な悪影響を与える中、真実が浮上し、多くのイネーブルメント実践者が仕事を失った。
CFO(最高財務責任者)が「CFNo(ノーしか言わないCFO)」に変わるような状況なのだ。
経済が復旧しつつある現在、イネーブルメントの重要性は明らかに増している。もし正しく戦略的かつ包括的に設定できれば、2020年代はイネーブルメントの10年となるかもしれない!
イネーブルメントはこの新たな顧客中心型かつリモートが優先される世界で、営業力とカスタマーサクセスを促進するだろう。
私たちが多くの時間を在宅勤務に充てるようになったから、営業における課題が変化したわけではない。基本的な営業スキル不足を取り囲む既存の課題が、在宅勤務によって、増幅しただけなのだ。
営業パーソンに、対面会議でうまく営業を行うスキルがまったく備わっていない場合、見込み客や顧客とリモートでエンゲージメントすることはもっと難しいだろう。
また、この10年をイネーブルメントの10年にするには、しっかり練られた施策が必要だ。幸運なことに本書では検討すべきあらゆることをカバーする包括的なフレームワークが紹介されている。
このフレームワークを自社の環境で導入するには、クリティカルシンキング、クリエイティブシンキング、システム思考が必要だ。
今まで以上にAIを活用するようになる世界では論理的に考え、推論に疑問を抱き、3次元以上で想像できることがますます重要となりつつある。インテリジェントツールが有効性を向上するというのは素晴らしいことだ。
だが、真に成功を実現できるリーダーとなるには、自分たちが主人(マスター)であり続けなければいけない。
ツールは従者でしかない。この能力を実現し、推奨される環境をつくれば、それは確固としたクリエイティブシンキングとシステム思考の土台となり、ペースの早い複雑な世界で違いを生むことができるようになる。