「これで、こんども一緒に出掛けられるよ。また出掛けよう!」
「でもどうやって?」
テツロウ君もクジラも答えてくれないから、どうしてそんな手品みたいな事が出来たのか。それは今でも上手く説明が出来ないわ。
「また君の家の前で待っている!」
「えっ?」
「ここだけどね。ははは」
またテツロウ君は、おどけて体を変なふうにくねらせる。
「テツロウ君、へんな踊り!」
「ははは。じゃ、おやすみ」
テツロウ君はまた私の方を見て笑ったわ。私は会ったその日に、好きになったみたい。テツロウ君のことを。